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評価は評価人の意見である

最終更新: 2018年11月21日

8日土曜日の未明にASAのWebinarを受講した。

いつもは平日の未明で、仕事のことを考えると憂鬱になるが、 土曜日の未明であれば多少は安心できる。

タイトルは"Appraisal Review:What it Is,What it’s Not,and Why it Matters" である。Appraisal Reviewとは評価書の妥当性に関する審査のことである。

そもそも評価というのは評価人個人の意見であり、評価人によって結果は異なる。 価値というものは主観的で科学的に定量化できるものではないからだ。 もちろん、意見と言っても「当てずっぽう」「勘」が根拠では話にならない。 事実を基に理論的な分析を行って初めて適正な価値を導き出すことができる。 その手順や作法を心得ているとされるのが国家機関や評価人団体から認められた評価人である。

しかしながら、実務をやっていると手順を飛ばしたりすることも多い。 Reviewでは主にそうした点がチェックされる。

機械設備評価の世界では、コストアプローチの適用において物理的劣化だけ減価を考慮して 機能的退化、経済的退化を考慮していない評価書があると時折耳にすることがある。

実務においては新規再調達コストを求める際、取得価額を信頼の置ける物価指数で調整する 傾向法が良く使われる。この時使用する物価指数は主に日本銀行の企業物価指数が使われるが 指数は機能的退化、経済的退化が織り込まれているとされている。 その所為か機能的退化、経済的退化はあえて考慮する必要がないという考え方になり、本来評価書に機能的退化、経済的退化について記載しなければならないのにその手順まで飛ばしてしまっているのではなかろうか。

実質的には問題がないのかもしれないが、機械設備の評価人であれば、機能的退化や経済的退化は外すことができない重要なファクターなはずで、ここを書き忘れてしまうのは信じがたい。 物理的劣化は資料とデータが入手できれば誰でも比較的簡単に補正ができるが、機能的退化、経済的退化は評価人の知識・見識によるものが大きく、評価人にとっては面目躍如となるべきポイントではなかろうか。

そう考えると機能的退化、経済的退化についての記載を飛ばしてしまうのは実にもったいない話なのかもしれない。評価人として意見を述べ自己の見識を披露できるポイントを放棄することになってしまうからである。

と、いろいろと書いてしまったが、完成度の高い評価書を書くのは非常に難しい。 完璧というものはないとは思うか、できるだけ近づけるように努力はしなければならない。


2018.9.10


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