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機械設備評価・事業評価の共同作業における技術的課題

最終更新: 2018年11月21日

米国東部時間の20日午後、日本時間で21日の深夜にASAのWebinar 「MTS and BV –Technical Issues of Joint Interest」が開催された。

講師は昨年、一昨年に東京で開催された知財セミナーでもお世話になっている Raymond Rath先生であった。 2時間の講義ながらHands Outも100ページを超えるもので、復習も必須である。

そもそも、日本では各専門分野の評価人が集まって評価作業を行うと言うことは あまり一般的ではない。 どちらかと言うと"一人の評価人がアレもコレも資格を取ってワンストップで"というようなことを仰る方が多いが、実際に評価をやってみると一人の評価人が全部の分野に精通するなどと言うことはどだい無理な話である。

機械設備の評価の立場からすれば、不動産評価より事業評価の方が身近に感じる。 実物資産という意味では不動産と機械設備は共通するが、不動産は独立した資産として市場価値が成立しやすいものの、機械・設備は使ってナンボ、稼いでナンボの世界であり、オペレーションつまり機械を使いこなせるかどうかといった部分が収益性を左右するため特に使用前提の設置済資産の評価では事業性のアイポイントを不動産よりも強く求められることがその理由である。 評価手法の面でも機械設備の評価単独でインカムアプローチを適用することは難しい。 収益は土地・資本・労働の結合により生み出されるから、これらの配分がしっかりできないとそれぞれの要素単独でインカムアプローチを適用しても意味がない。 そうすると事業単位でインカムアプローチを適用することになるから、機械・設備の評価人は事業評価の評価人と協業する必要性が自ずから高くなる。 評価手法の適用においては例えばコストアプローチのうち機能的退化や経済的退化の算定にも事業評価のアイポイントが必要になってくる。 弊社でも、事業評価の評価人との協業、事業評価のスキルを身につけることも課題と認識している。 LLPとしてはあと半年ほどの活動になるが、その先を見据えた場合、避けて通れない課題である。 講義の中では昨年受講したMandatory Performance Framework(MPF)の解説にも時間が割かれた。 おそらく、事業評価以外の分野でいちばんはじめに影響を受けるのは機械設備分野であろう。 一人親方で評価が完結する時代はそろそろ終わりなのではないかと思った、今回のWebinarであった。

米国鑑定士協会認定資産評価士(機械・設備) 松浦 英泰 

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