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「コンパクトシティ」はハコモノづくりの口実か

最終更新: 5月13日

コンパクトシティという言葉をよく聞く。 特に地方では高齢化と人口減少時代を迎える上に高度成長期に整備したインフラが寿命を迎え、更新を余儀なくされるから、都市をコンパクトにして移動しやすく、公共インフラを最小にするという発想から生まれたのがコンパクトシティ構想だ。 しかし、それが上手くいっているケースが非常に少ないという。 コンパクトシティ構想 先進地だった青森はなぜ失敗したか|NEWSポストセブン https://www.news-postseven.com/archives/20191015_1468618.html 特に青森市はコンパクトシティ構想の先進地とされていた。再開発ビル「アウガ」は、コンパクトシティ構想の最先端を行くとされて各所で紹介されていた。 しかし、結果としては全国至る所に存在する"失敗した再開発ビル"のひとつになってしまった。赤字が積み上がり最終的に税金投入というお決まりのシナリオになってしまった。   とはいえ、コンパクトシティ化は特に地方では真剣に取り組まなければならない課題である。年々人口は減り、税収は伸び悩む。その反面公共建築物、道路、橋梁、上下水道の劣化は確実に進み補修費用はうなぎ登りになってゆく。 コンパクトシティは「攻め」「挑戦」の政策というイメージが強いが、今後はサバイバルの戦略として断腸の思いで実行をしなければならなくなるだろう。 発想の転換も必要だ。地方の場合は主要交通手段が鉄道ではないことが多い。にもかかわらず鉄道駅中心の発想だったり、誰も店を開けない中心市街地に賑わいを取り戻すといった至難の業をやってのけようとすることはやめた方がいいだろう。 いずれにしても取捨選択を迫られることになるが、それは何を作るかではなく、何を捨てて何を残して活かすかである。 行政には"個人の財産権の保護""所有権絶対"のマインドが非常に強い。国民、住民としては行政が個人を大事にしてくれることは大変ありがたいことではある。しかし、縮小局面で行政に経済的、マンパワー的な余裕がなくなる中でこれをやろうとすると、最終的に国や自治体の破綻を招いてしまう(最近急速に注目が高まっているMMT理論を持ってすれば回避可能かも知れないが)。 少なくとも、コンパクトシティを謳うハコモノづくりは費用対効果を厳しく疑ってかかった方がいい。現状ではほとんどがハコモノづくりの口実である。


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