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変化への対応の限界~ タイプライターメーカー破綻のニュースから



日刊工業新聞ニュースイッチに興味深い記事が掲載されていた。 タイプライターメーカーの倒産、日本の製造業がたどった軌跡と重なる - 日刊工業新聞ニュースイッチ https://newswitch.jp/p/17807 タイプライターを使って仕事をしている人は今ではほとんどいないのではなかろうか。しかし、1980年代中盤くらいまではタイプライターはあちこちで使われていた。 時代の変化による生産様式の変化は確実に年々早まっている。 アナログ分野がデジタル化するスピードもさることながら、デジタル技術が他のデジタル技術に置き換わるスピードはさらに速い。例えば、フィルム式のカメラがデジタルカメラに取って代わられ、デジタルカメラはスマートフォンのカメラに駆逐されつつある。 カメラ自体の価値が変わればもちろんその生産設備の有用性も大きく変化する。そのため機械設備の評価においては評価人は生産様式の変化に対して敏感でなければならない。ことに近年は「異分野からの侵食」も十分あり得ることだから、よほど注意して広い分野に目配りしなくてはならないが、将来予測は案外難しいものである。   記事で取り上げられたタイプライターメーカーも、時代の変化に真摯に向き合い、対応してきたことは確かである。むしろ、よくぞここまで対応できたものだとも思う。 少し前に事業再生の専門家の方から「近年は会社が特定の事業だけに注力して成長していくのは難しくなった」と言う趣旨の話を聞いた。「M&Aや協業を上手く行いながら市場に対応していかなければ生き残っていけない」のだそうだ。 つまり、一つの会社として生き残っていくよりも、流れを上手く掴んでフレキシブルに生きることが、現代の企業の生き残り策としてはより望ましいということであろう。 そう考えると、今まで変化に対応して生き残ったきた会社であっても、従来のやり方ではそろそろ限界に達している一つの例とも言えるのではないか。

 

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