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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

研究会で貢献できるSDG'sを考えてみる

更新日:2020年8月24日

いよいよ平成もあと少し、令和の足音が近づいてきました。  

先般、カードゲームで持続可能な開発目標(SDGs)を疑似体験してきましたが、実際のところ、SDG'sって普段の活動にどう採り入れていくか、あまり良く分かりません。 そこで、まず我々の活動で貢献できるSDG’sとは何か、考えてみることにしました。 17の目標の中のターゲットのうち、直接的、または間接的に関係しそうなターゲットを列挙しました。

目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

特に貢献したいターゲット

1.4  2030 年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービ スへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、 天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的 資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。


目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

特に貢献したいターゲット

2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び 高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、 女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業 生産性及び所得を倍増させる。 2.4 2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極 端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的 に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭 (レジリエント)な農業を実践する。


目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

特に貢献したいターゲット

3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのア クセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを 含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。


3.9 2030 年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾 病の件数を大幅に減少させる。

目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を 促進する

特に貢献したいターゲット

4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事 及 び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

4.7 2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、 男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様 性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可 能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。


目標 5 . ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

特に貢献したいターゲット

5.1 あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。

5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世 帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価 する。

5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女 性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。


目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

特に貢献したいターゲット

6.1 2030 年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを 達成する。

6.3 2030 年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化、未処 理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加させ ることにより、水質を改善する。

6.4 2030 年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な 採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。 6.5 2030 年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理 を実施する。

6.6 2020 年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の 保護・回復を行う。


目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

特に貢献したいターゲット

7.1 2030 年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを 確保する。

7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅 に拡大させる。

7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。


7.a 2030 年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い 化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するた めの国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資 を促進する。


目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

特に貢献したいターゲット

8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技 術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型 の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

8.6 2020 年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に 減らす。

8.10 国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービス へのアクセスを促進・拡大する。

目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び イノベーションの推進を図る

特に貢献したいターゲット

9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援 するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レ ジリエント)なインフラを開発する。

9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融 サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。 9.4 2030 年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プ ロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。 すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。 9.b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開 発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。

目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する

特に貢献したいターゲット

10.5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。









目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

特に貢献したいターゲット

11.3 2030 年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包 摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。

11.6 2030 年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払う ことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。 11.7 2030 年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ 利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。 11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、 都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。 11.b 2020 年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レ ジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の 件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組 2015-2030 に沿って、あらゆるレベルでの総 合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。

目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する

特に貢献したいターゲット

12.2 2030 年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

12.3 2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減 させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。

12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環 境上適正な化学物資やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響 を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発 生を大幅に削減する。 12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可 能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

特に貢献したいターゲット

13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス) 及び適応力を強化する。

13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び 制度機能を改善する。




目標 14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する 特に貢献したいターゲット 14.1 2025 年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する

14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。




目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

特に貢献したいターゲット

15.1 2020 年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をは じめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持 続可能な利用を確保する。 15.2 2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を 阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させ る。

15.3 2030 年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地など の劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。


目標 16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法への アクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

特に貢献したいターゲット

16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させ る。

16.7 あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。

16.8 グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。

16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障 する

目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活 性化する資金

貢献したいターゲット

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、 市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。







 

SDG'sは外務省が音頭を取っているのを見れば分かるとおり、特に開発途上国との均衡ある開発と発展が重視されています。機械設備評価部門は国際的な枠組みで動いており、不動産とは異なり市場がクロスボーダーであるため、ここで特に貢献したいターゲットとしないものでも、評価作業を行う場合には念頭に置いて価値判断を行う必要が出てくると思われます。研究会で注力している、林地評価については目標15、空き家問題は目標11と密接に絡んでくるものと思われます。 但し、上記で列挙したターゲットについても直接的に政策面や取引などの事業展開を行っているわけではないので、ほとんどが間接的な支援しかできないのではないかと思われます。 持続可能な開発目標に対して直接的、具体的に貢献できることは僅かではありますが、僅かながらも貢献できていけたらと思うとともに、今回の分析がご覧の皆様の日頃の活動に何らかのプラスになることを願っています。

 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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