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執筆者の写真Frontier Valuation

日本銀行物価指数データの使い方(1)

新規再調達コストは評価対象の資産と最も同等に近い効用を持つ同様の新規資産の新規現在コストである。

機械設備評価においてコストアプローチを適用する場面は多いが、 コストアプローチにおいて重要な作業のひとつが新規再調達コストを求めることである。

新規再調達コストは、評価対象と同じ効用を持つ同種資産の新品価格によって求めることが基本である。 機械設備は日々進歩の過程にあるから、例えば10年前に100万円だったものが、現在では同等のものが90万円程度で入手できるようになっているかもしれない。その場合は90万円が新規再調達コストになる。

また、もう別の方法として、傾向法により算出することもできる。10年前に100万円で取得した資産の評価の場合、その取得価額を公的機関が発表する、信頼できる物価指数を用いて修正するやり方である。 10年前の指数を100とした場合に現在の指数が90であれば  100万円×90/100で90万円 となる。

機械設備評価の場合、ひとつの機械を単体で評価するということはほとんどなく、 大抵は大量資産を一括で評価することになるため、傾向法を使用することの方が多いのが現実である。

その場合、活用するのは日本銀行の企業物価指数である。

日本銀行の時系列統計データ検索サイト http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html から誰でも 自由にダウンロードできる。



使用する上で問題点はある。日本銀行の企業物価指数は5年ごとに基準が変わる。 現在は2015年基準となっているがそれ以前であれば2010年基準、さらにそれ以前であれば2005年基準 となる。したがって、経年5年以上のものであれば、複数の基準のデータを使って指数を求めることになる。 (つづく)

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