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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

企業の設備年齢も高齢化している

日本企業の持つ設備の老朽化が進んでいます。

少子高齢化に伴う消費者需要の落ち込み、人口減少に伴う将来の経済先細り懸念、またITバブル崩壊やリーマンショックなど近年は経済情勢が急変することも多く、企業もなかなか設備投資に踏み切るのに勇気がいるところでしょう。

経済産業省の資産によれば、製造業の場合で1993年に設備年齢が10.9年だったものが、2013年には16.3年となり、20年間で+5.4年となりました。また、非製造業では1993年に9.4年だったものが、2013年には15.5年と、こちらは20年間で+6.1年となりました。


企業の規模別で見た場合、大企業では1993年を指数100とした場合、2014年には143.4、中小企業では175.7となり、中小企業では約1.8陪老朽化が進んだことになります。

機械や設備の鑑定評価を担う立場からすれば、どうにか価値を定量化し、数値で分かるように出来ないかと思うところです。

当然ながら、機械が老朽化した場合、故障の増大によるメンテナンスコストの上昇、突発的なトラブルによって業務に支障が出ることが考えられ、価値としては年々下落してしまいます。

会計情報として資産の未償却残高である簿価もあるのですが、こちらは政策的に耐用年数が短めに設定されていることが多く、機械や設備のライフサイクルに基づいた経済的耐用年数に基づいた価値を知ることは出来ません。

たとえば、企業の持っている資産の一部をサンプリングし、ベンチマークとして継続的に鑑定評価を行って時系列的に資産価値の減少を知ることが出来れば内部管理に活用したり、ステークホルダーへの情報開示によって適切なディスクロージャにも資することが出来ると考えられます。経営者は企業価値の維持も大事な任務のひとつですから、適切に時価を把握することは本来必要不可欠なことなのです。

政府では生産設備の高齢化が国際競争力の低下を招くとして、国内企業の"競争力強化"を目的に、設備投資を促す政策を推進していますが、メニューのひとつとして機械や設備、車両などの資産の時価に関する鑑定評価もメニューに加えて欲しいと思うところです。

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