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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

日本のスパコン「富岳」が世界初の〝4冠〟達成

かつて「京」が事業仕分けの俎上にあがって物議を醸したスーパーコンピューター。 日本のスパコン「富岳」が計算速度世界一をはじめ4つの分野で1位に輝くという偉業を達成した。 日本のスパコン「富岳」、8年半ぶり世界一奪還:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60655390S0A620C2MM8000/ 

蓮舫氏の「1位じゃないとダメなんですか?」が報道によって強く印象づけられ、あたかも「1位ではいけない」という風に曲解して批判する意見が蔓延っているが、「京」はそもそもコストパフォーマンスの悪さ、使い勝手の悪さという問題を抱えていた。事業仕分けも蓮舫氏だけではなく、技術に精通した専門家も議論に加わっていて"使う立場"からの意見もしっかり出ていた。 スパコン「京」の運用終了。「2位じゃダメなんですか?」は何だったのかを改めて整理する(伊藤伸) - Y!ニュース

 

今回の富岳は1秒間に36京回の計算ができる能力があることから富嶽三六景になぞらえて「富岳」と名付けられたというが、最終的には京の100倍の能力まで引き上げることも可能とのことだ。

スパコンの計算速度一位も競争が激しく、せいぜい1年、長くても3年程度でポジションを取って代わられてしまう。「京」の場合はスピードのみの追求に多額の税金が投じられたが、「富岳」は演算速度のランキングTOP500のほか、HPCG(シミュレーション計算)、HPL-AI(AIの学習速度)、Graph500(ビッグデータの処理性能)の4部門で1位を獲得した。省電力性能でも優れており、昨年、消費電力性能ランキングGreen500で世界1位になっているという。しかもiPhoneなどにも使われるプロセッサArmの派生形であるなど、ガラパゴス技術であった「京」とは一線を画している。スピードだけを追求して"速いが荷物が積めないスーパーカー"と言われた「京」とは異なり、事業仕分けで出された問題点を踏まえ、あくまでも性能を追求した結果の4冠であるから、厳しい批判に揉まれて鍛えられ、得られた大変優れた成果だといえる。スパコンの開発にかかわってきた皆様に敬意を表したい。 我々も時に厳しい批判に晒され、夜も眠らないほど悔しい思いをすることもあるが、そんな時こそ勉強するモチベーションが上がり、腕を磨くチャンスであるとつくづく思う。スパコンも恐らく厳しい開発に挑んできたに違いない。 今後の日の丸スパコンの発展を願うばかりである。

 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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