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価格交渉材料としての鑑定評価

最終更新: 2019年4月19日

不動産でも、機械設備でも鑑定評価に関わっていると良くあることなのですが、「これから価格交渉に臨むけれど、相手側を説得する材料として鑑定評価書を書いてほしい」というオファーを戴くことがあります。   結論から言いますと、こういう場合、鑑定評価は役に立ちません。 自社で価値に対する認識を再確認するためであればいいかもしれませんが、他社の説得材料に使うのであれば、無駄です。   何故かと言えば、相手方を無理にでも説得したいということは、そもそも依頼者が交渉相手にとって呑めない条件を主張していることが多く、こうした場合は鑑定評価を行っても評価書が依頼者にとって「有益な材料」となるようなことはほとんど無いからです。   中には「評価といってもサービス業なのだから顧客の求めるサービスを提供するのがあなたたちの仕事なのではないか」と仰る方もいらっしゃいます。しかし、一方の主張だけを鵜呑みにするような評価書を書いてはいけないというのが、本来評価人として求められる役割なのです。特に機械設備評価で採用している米国鑑定士協会(ASA)の倫理規定においてはこの点について厳しい要請があります。

残念ながら打出の小槌ではございません。

価格交渉において鑑定評価が役立つ場面があるとすれば、売買交渉などで双方がもう少しで歩み寄れるけれど、その溝がなかなか埋められないようなケースで、この場合に「それならば専門家の意見を聞いて判断しましょう」と両者が納得してご依頼頂く場合です。


残念ながら鑑定評価書は「打出の小槌」や「黄門様の印籠」にはなれません。

まずは本当に評価が必要な場面かどうか、ご相談下さい。

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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