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物価指数と取得価格の衝突(1)

最終更新: 9月1日

どういう風な表現をすべきか、非常に迷うところであるが、評価実務をやっていると教科書には書かれていないような問題に出くわすことがある。   適切な表現ではないかもしれないがコストアプローチの摘要で新規再調達コスト(RCN)を求める際に、取得価額に物価指数を乗して得た数値と取得価額との矛盾が起こることがある。それを「物価指数と取得価格の衝突」と表現した。 おそらく、この説明で意味が分かる方はいないと思うので、具体例を挙げてみる。

【例】

2017年1月にボイラAを3,000千円で取得した。2018年に2017年1月に取得したボイラAと同型のボイラBを3,000千円で取得、

さらに2019年1月に同じボイラAと同型のボイラCを3,000千円で取得した。

物価指数は  2017年1月 97.7  2018年1月 100.1

 2019年1月 99.1 であり、評価基準日は2019年1月31日とする。 各ボイラのRCNを求める。(物価指数は実際の数字ではありません)   考え方としては2つあるだろう。


【方法1】傾向法を適用してRCNを求める一般的なやり方である

ボイラA

  3,000千円×99.1/99.1≒3,000千円

 ボイラB

  3,000千円×99.1/100.1≒2,970千円

 ボイラC

  3,000千円×99.1/99.1≒3,000千円

【方法2】もうひとつは、同じボイラーが取得時と同じ価格で買えるのだから

 RCNは3,000千円とするやり方である。


ボイラなどのユーティリティは、複数が設置されることも多く、取り替え時にはいっぺんに取り替えずに順次取り替えることが多く、同型の資産を異時点で取得することは珍しいことではない。 さて、上記の例ではどちらの方が説得力があるだろうか。

米国鑑定士協会認定資産評価士(機械・設備)

松浦 英泰

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