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IFRSの新基準で変わるリースの概念

執筆者の写真: Frontier ValuationFrontier Valuation

国際財務報告基準(IFRS)が2016年に発表した新基準が2019年に開始する事業年度から 強制適用になる。IFRS16と呼ばれるこの会計基準はこれまでのリースの概念を変えるものである。 現行基準であるIAS第17号では、リース資産をファイナンスリースとオペレーティングリースに区分していた。それまではリース資産は貸借対照表上(B/S)に計上はせず、リース料のみを費用計上する会計処理が行われていたが、ファイナンスリースは実態として実質的に融資によって固定資産を購入するのと同じであり、固定資産をB/Sから排除(オフバランス)して、自己資本利益率(ROE)を過大に表示させ、利害関係者に企業の経営成績・財政状態を誤認 させることから、固定資産を自社で購入した場合と同じようにB/Sに固定資産として計上し、併せてリース負債を計上する処理が求められるようになった。 一方で、オペレーティングリースについてはリース料のみを費用計上処理することとされた。

新基準IFRS16においてリースは「資産を使用する権利を一定期間にわたり、対価と交換に移転する契約又は契約の一部」と定義されている。 ファイナンスリースとオペレーティングリースの区分はなくなり、これまでのファイナンスリース同様の会計処理が求められるようになる。

IFRS16は国際財務報告基準の規定であり、日本の会計基準を採用している企業は直ちには関係しない。 ただ、日本の会計基準も国際会計基準とのコンバージェンスが進んでおり、いずれはIFRS16と同様の会計処理を求められる可能性は否定できないと考えられる。 機械設備の時価評価について話をすると「うちはほとんどリースだから関係ない」といわれたり、逆に評価のリスティングにおいて「リースだから除外」といった処理をしたりということが多いが、今後はリースといえども時価を求められる場面があるだろう。

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